手つかずの土地に林立する桧、その桧を使って家を建てる。大胆な発想を実現

生来ものづくりが大好きなだったFさんは、調理師をセミリタイアすると同時に
ここ箱根に「源泉温泉」をもとめて移り住んだ。
標高800メートルはあるという箱根の頂き。
気温もふもととよりかなり低い。

が、それとは引き換えにできるのが遠くに見える海と昇る朝日。
箱根の山々を望める絶景である。

およそ300坪の土地は傾斜地でしかも桧(ひのき)の林だったが、
この桧を実際に使えないかという発想に至る。

同時にかなり長い期間で中古物件を見学して学んだことはここが「湿気」との戦いであるということだった。
やはり人の住まない住宅はカビ臭くなっていく。
まだ東京に仕事の一部を残すFさんにとって、住んでいなくとも換気が行き届く家が必須だった。
そうして出会ったのが25年もの間「エアサイクル工法」を採用してきた神奈川エコハウスだった。

しかも文頭の桧を利用するに「神奈川の木で家を建てる」をコンセプトにするエコハウスは
そのものズバリのハウスビルダーだったというわけだ。

伐採した桧を乾燥させ製材所に持ち込んで実際にこの家づくりに使った。
上記の写真で見られるようにこの家の左右にはまだ太い桧が残る。
宅地部分は開墾した土地なのである。
したがって庭には70−80センチともあろうという切り株がたくさん残っていた。

東に向いた文頭の絶景を得るために、設計では船のデッキのごとく突き出した。
傾斜を利用して2階を玄関とし、階下をゲストのための居室、さらに奥様の趣味の陶芸の作業室と窯をしつらえた。
こうして2階がリビングダイニングと寝室、岩盤浴を設置した浴室など生活の中心のフロアとした。

    

自然素材を使用し、それらを活かす「エアサイクル工法」という工夫、
そこで育った木を使う家づくり。
それはまるで人の生活の原点に立ち戻る、基本的生活のはじまりのようで、じつに潔い。
 

南足柄郡箱根町 F邸
土地面積/997.59㎡
延床面積/155.89㎡
木造軸組+エアサイクル工法
設計施工/神奈川エコハウス(株)